その他フィギュア
Takara 正義の味方 & サイボーグ変身セット
 . コレクションアイテムとして、『12インチ可動フィギュア』というジャンルが
あります。30センチほどの大きさで、関節が可動し、好みのポーズをとる
ことができる人形のことで、現在(2007年)メディコムトイのRAHシリーズを
筆頭に、人気の高い商品と言えるでしょう。その元祖とも言える商品が、
米国ハスブロ社から発売されていた『GI-JOE(ジーアイジョー)』です。
GIジョーは、その名の通り、人形に軍隊兵士(主に米兵)の服装や装備を纏わせた人形でした。
日本でも輸入発売され(作ってたのはもともと日本だそうですが)、後にタカラ(現タカラトミー)が
ライセンスを買い取り、顔を日本向けにアレンジし、可動部分も改良したニューGIジョーを発売。
大々的に日本の子供たちの手に渡ることとなりましたが、羨望を浴びる高額商品ゆえ、販売量は
伸び悩みます。拡売を狙って、兵士ばかりでなく野球のユニフォームを販売するなど、苦しい状況
が続いたようです。
そして、昭和46年。再来した怪獣ブームを抱き込むべく、
GIジョーの素体人形にヒーローコスチュームを纏わせた
『正義の味方シリーズ』が登場。
続く、大ヒット商品「変身サイボーグ」の足がかりとして、
大きな役割を果たすことになります。

左は発売当時の広告。「帰ってきたウルトラマン」につづく
第2弾の商品として、ウルトラセブン&ウルトラ警備隊が
発売されました。広告写真の警備隊は、MATのヘルメット
を被ってしまってます(^^;)。
正義の味方  ウルトラセブン/ウルトラ警備隊
GIジョーの素体に、ソフビ製のマスクとブーツを奢られ、布製のコスチュームを纏いました。
中に人間が入っているということで、実際に撮影されたスーツを思い起こさせ、より現実味
を内包することになりました。ソフビ人形と比べ、「これはオモチャじゃない」という雰囲気を
子供に感じさせることに成功し、羨望の商品となり得たのでした。
マルザンやブルマァクのソフビと違い、銀色の部分をそのまま銀で表現したことも、リアル
な雰囲気をいっそう盛り上げ、成功の大きな鍵になったように思います。各1500円。
子供心にも唯一残念だったのは、背中の留めがスナップボタン
だったことと、セブンにおいては手に手袋を装着せず、GIジョー
の手のパーツを赤い成型材で抜いただけで、手に爪の形まで
残っていたのは、手抜きな感じが否めない部分でした。
背中の留めは、セブンも警備隊もスナップですが
スナップの種類は異なり、ウルトラ警備隊の方は
打ち込みタイプのスナップを使用したため、ベルト
もしっかりと留められ、紛失する危険性が少ない
構造になっていたのは、後のコレクターにとっても
非常に歓迎すべき点となりました。
(セブンのスナップは縫い付けタイプ)

 ※ちなみに、武器はMATガンが流用されていました。残念!
パッケージは両者共通のモノが
使用されました。

いかにも
「どんなポーズでもとれますよ!」
と言いたげな写真がちりばめられた
化粧ケースですね!

『21ヶ所がじゆうにうごく』、
決まり文句でしたね♪

 および
セブンのコスチュームにはプロテクターの素材により
2タイプが存在します。

プロテクターの銀が剥がれるとはっきりわかりますが
写真向かって右がおそらく前期仕様で、薄い青灰色
のビニール地に銀蒸着(?塗装かもしれません)させ
たモノ。表面は細かいギャザーステッチです。
左はソフビっぽいですが、やはりビニール生地のよう
です。素材の色は白で、表面には皮シボのレリーフが
入っています。
ウルトラ警備隊の顔には、ニューGIジョーの顔が
そのまま流用されています。

なぜか、向かって左のように目の虹彩がグレーの
人形が多かった気がします。(右は茶色の虹彩。)
意図的だったのでしょうか?
灰目の方が2枚目に見えますネ♪
男の子の人形玩具と言えば、ブルマァクの
ソフビが全盛だった時代。


ソフビのマスク、輝く銀色、伸縮性の高い布
とGIジョーのフィギュアで自在に可能なポー
ジング。

リアルな印象の正義の味方は、羨望の商品
として玩具屋さんの一番上の棚に、さん然と
輝く商品でした!

正義の味方によって道を切り開かれた、
『男の子向けの着せ替え人形』という商域は
次世代の『変身サイボーグ』に引き継がれ、
見事に花開くのです。
ちなみに、キャラクターの12inch可動フィギュアの元祖としては、キャプテンアクションという商品が
存在します。GIジョーと同じく輸入品で、アメリカンヒーローを主体としていましたが、少年誌の懸賞
広告に、ウルトラマンのコスチュームが見られます。実際に販売されたかは定かではありません。



変身サイボーグ1号 変身セット
昭和47年、正義の味方シリーズのコンセプトを膨らませた
『変身サイボーグ1号』が登場します(素体のみ900円)。

ニューGIジョーのボディ素材を透明のプラスティックで構成
し、胸部と頭部にメカ(ダミー)を内臓したSFチックな人形。

腕にソフビ製の武器パーツをハメ込むなど、独自の世界を
展開しながら、同時に、TVヒーローなどのコスチュームを
着せ替えセットとして販売し、大々的なヒットとなりました。

サイボーグ2号(少年サイボーグ)やサイボーグジャガー、
敵方としてキングワルダーなど、人形自体も数種のキャラ
を展開。ボディが取り外しできることを利用し、様々な装着
武器や、1号そのものがバイクになるサイボーグライダー
など、多彩な展開を繰り広げました。
変身サイボーグ1号変身セット、左からウルトラセブン前期、後期、ウルトラ警備隊。
正義の味方では布製だったスーツが、薄いビニール製となり、配色は塗装となりました。
セブンのプロテクターも、プレス跡で形状を表現した一体式です。手は、すべてソフビ製の
手袋を装着しています。ウルトラ警備隊のブーツは、正面が山切りカットでなくなったのが
少し残念かな。セブン:500円、U警備隊:550円。(ウルトラ警備隊は
梱包は、左のように
ブリスターパックです。

 
ウルトラセブンの前期・後期の違いはマスクの成型色。前期は、正義の味方と同様に
白い成型色のモノに銀でくるみ塗装がされていましたが、後期(タロウ時期以降)には
銀色の成型色となって、塗装を省略しています。
スーツの脱ぎ着のための背中開口部は、正義の味方のホック式から、本物のスーツ
同様のファスナー式となりました。当時、こうでなくっちゃ!と思いましたね♪
また、前期変身セットの中には、ファスナーの布部分が赤のものもあります。
ところで、左のような、ちょっと妙なスーツが
存在していますね。プロテクター部の表現が
何と線描きになっています!

スーツの素材の色も、通常版より透明度が
高く、けっこう中身が透けて見えます。

一般には、初期に先行発売されたプロトタイ
プと言われていますが

もしそれが本当だとすると、先走って買って
もらってしまった子は、後々ショックを受けな
かったでしょうか…(画像は

ニュー正義の味方
左/中央 :
右(箱) :
変身サイボーグ1号&変身セットと同時発売されたのが、この『ニュー正義の味方』です。
中の素体をGIジョーから変身サイボーグ1号にあらため、スーツ素材も、変身セット同様
のビニール生地、ソフビ手袋も奢られています。要は変身セット+サイボーグのセットと
いうわけですが、特記すべきは別体式のプロテクター。旧正義の味方のパーツの流用で
しょうか。そして、写真をよぉく見ると…プロテクターが剥がれた下には、前述の線描きの
プロテクターが見えます!初期型と言われていた変身セットスーツは、これだったのか?
それとも、貧相な初期生産分をニュー正義の味方に作り替えて発売したのでしょうか…。
諸説が考えられますが真相は未だ不明です。1300円。(箱画像はウルトラマン用の箱の
写真から、想像で描き起こしたものです。)
タカラの『正義の味方』と変身サイボーグの
『変身セット』は

どちらも、それまでの男の子達の人形遊び
の世界を大きく変えた画期的な人形でした。

丸みを帯びたソフトビニール人形ではなく、
リアルでスタイリッシュな彼らは、今も私達
にとって、憧れの逸品として輝いています。

かっこイイ〜〜♪(^−^)v
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