大怪獣バッタリ   <第1章> 

これが究極のセブンフィギュア、『バッタリセブン』だっ!
 
 
(大怪獣バッタリさんのコメント)
 
 使用した素材は、まず、1997年にマーミットが商品化した「スーパーアクシ ョン ヒーローズ」という
 30・サイズの関節可動フィギュアのキット版です。(これは 軟質 ソフトビニール製のスーツを可動
 素体に着せ付けるタイプのものです)。 それからもうひとつ、パイロットエースというメーカーの商品で
 同じサイズの ソフトビニール製着色済みのキットから頭部のみを流用しました。

 今回、このセブンを製作するにあたって最も留意した点は、全身のバランスを再現する事でした。

 マーミットのキットをそのまま組んでも かなりの 出来映えの良さですが、やはり中の素体が
 スタイル良過ぎるという事と、頭が若干小さめになってしまうので、私が狙う「上西弘二さんの
 演じるウルトラセブン」の雰 囲気に比べて頭身の高いスマートな体になり過ぎてしまうのです。

 そしてパイロットエースのセブン。このキットは通常のソ フビ製で、今まで商品化されたセブンの
 フィギュアの中でもトップレベルの出来映えです。 しかし、あくまで軟質ソフビの質感と、少しでも
 可動する点にこだわり、先のマーミットのスーツを用いて、この素材で出来うる限りのリアリティを
 追求しよ うと 考えたのです。
 
 そしてもうひとつ重要にして最大の問題がありました。
 それは素体をどうするか?という事です。 普通に売られてる可動素体は、どれもスタイルが良く
 とても上西セブンのような体型ではありません。しかし、ことセブンに関しては、当時リアルタイムで
 観ていた あの日本人体型のウルトラセブンこそが最も「セブンらしい」と感じるのです。

 何がどうなれば最もセブンらしくなるのか・・・腕や脚をそれらしく多少短くしたところで、どうも違和感
 がある。何かが違う。写真や映像とニラメ ッコを 続け、ようやく違和感の理由が「肩幅が広過ぎる」
 ことにあると気づきました。
 自分なりに素体を削ったり、いろいろ工夫を凝らしてみましたが、どうも上手く行きません。どこかに
 肩幅の狭い素体が売ってないものか・・ ある日ひとつのフィギュアが目に止まりま した。 メディコム
 トイの「DX仮面ライダー1号」です。素体を確認してみたところ「これはいけるかも知れない!」と感じ
 ました。念願の日本人体型のウルトラセブンを作るため、この素体を入れると「2コ1」ならぬ「3コ1」
 という、なんとも お金のかかったゼイタク品になってしまいました(^^;
 
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 (大怪獣バッタリさんのコメント)

製作の第一に、スーツのフィット感の調整が必要です。ウレタンを筋肉の形に切 り取り、素体に貼付けます。
何度も微調整を繰り返し、上手くウレタンの肉襦袢を付けた素体が、内側からソフビスーツを盛り上げたら、
今度は手袋とブーツを付けて全体のバランスを見ます。ブーツは木工用パテで自作し、靴裏のモールドも
彫り込みました。


この人形は、本来関節が可動の人形ですが、素体の間接の固さがソフビ製のスーツに負けていて、もともと
マトモに動きません。今回の作品は、更に素体が肉襦袢を付けてますから、可動というのはほとんど犠牲に
せざるを得ませんでした。そのかわり、手で触った時の質感に重点を置きました。このセブン人形は、飾って
眺めるためのモノではなく、手に取り、いじって質感を楽しむための「玩具」として製作しましたので(^^)。
そしてもう一工夫・・元の素組みではあまり動かす事の出来なかった「首」を、前後左右によく動かせるように
改造し、下半身ほぼ未可動の犠牲を補う「表情」がつくようにしました。

心残りなのは、軟質ソフビスーツのサイズそれ自体を変える事が出来ないので、下脚が太くなってしまい、
サリーちゃんの脚のようにメリハリがありません(苦笑)。それからセブンファンならお気づきと思いますが、
もともとこのフィギュアに彫られていたボディラインが初期型になっており、このラインの彫りを消すことが
できなかったので、そのままに してあります。そのため、顔は中期〜後期型なのに、ボディラインは初期型
という、実際には あり得ない組み合わせになってしまいました(笑)
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(大怪獣バッタリさんのコメント)

頭部は肩幅の狭い素体に合わせ、顔の長さと肩幅の比率が
本物と同じ割合になるよう計算して位置決めします。 ダンが
ウルトラアイでセブンに変身する際の、あの有名な胸から上の
アップ画像を念頭に置き、そのイメージで作りました。
パイロットエースの頭部は、本物ソックリの良い出来ですが、
後頭部の割合が大き過ぎるので、それを摘める作業が必要で、
あとは内側から頬〜アゴに かけて やや張り出し気味にする
ために、ソフビの切れ端をスペーサーとして詰め込んで あります。
アイスラッガーはプラ板を削って自作しました。
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<三浦(編者)のコメント>
まず初めに、当紹介作品の写真は、製作者ではなく、三浦(編者)によって撮影されたものであり、画像処理も
三浦が行っています。また、製作者コメントは編者による校正が施されています。(大怪獣バッタリ様作品全て)

大怪獣バッタリ様の究極セブンフィギュア、如何でしょうか?実物を拝見した立場から申しますと、お世辞抜きで
今まで私が見たセブンフィギュアで『最もセブンらしいセブン』でした。何と言っても「目から鱗」だったのは、肩幅
の狭さを含めた胴体と腕の付根の関係です。今までどんなによく出来たセブンフィギュアでも、「何か違う」という
思いが拭えなかったのですが、その理由がコレだったんだ!ということを教えていただいた思いです。
そしてwebでは伝えられませんが、このフィギュアの触りごこちは まさにセブンのウェットスーツの感覚でした。
造型のリアルさについては、もともとの商品自体の出来によるところも大きいですが、そういった表面的な造型を
乗り越えた先のリアル感が、このフィギュアにあります。
これから先、リアルセブンフィギュアを自作、又は商品化されるにあたっては、ぜひこの大怪獣バッタリセブンの
腕から肩にかけての関係をお手本にして欲しい。まさに教祖となる1体として歴史に残して欲しいセブンです。
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♪NEXT♪
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